湿ったおがくずのテンポ (嶋本と高嶺)
あなたが本当にうらやましいとしょぼくれた冴えない顔でいうから、そうやろうらやましいやろ存分にうらやんどけと返すついでに、うらやましいと思っていた相手からうらやましいといわれた気持ちをちょっとは考えろと声には出さずに多分本人には景気づけにしか思われないに違いないと高をくくって頭を叩く。
そのままそこで、 (嶋本と高嶺)
大丈夫ですよ、と具体的な所を何も言わないでただそういうから、何だかもう全部が全部愛しかったそれが悔しいのに変わってしまって、もうなにも素直じゃなくていいから頼むからもっと何か別の現実的なことを言って打ちのめしてくれればいいのにと自分勝手に考える。
冷たい喧嘩腰 (嶋本と高嶺)
酒に酔わないと本音を言わないあなたは好きじゃない、と、かわいくないことを言うから、酒に酔っても本音すら言わないお前も好きじゃない、と返して、お互いに笑いあうのが酒の席でのささやかな楽しみだったりもする。特に、互いに言いたい一言を秘めているときなんかは酔いが醒めてひどく心地良い。
具体的なことなんてひとつもない抽象小話三つでした。
たまには何にもないようなお話を、と思えば暗い雰囲気がまとわりつくこの頃です。
BACK