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おひとついかがでしょう (嶋本と高嶺)

掌の上の色とりどりで、人を判断しようというのもおかしな話だが。
「やっぱり、赤ですね」
「あ?何がや」
「さっきから、何かかっかしてると思ったら」
その一言で、真意を察したらしい。
「うるさい、色なんてよう見んわ」
「ほら、かっかしてる」
「うっさいわ」
これでは何のために与えたのだか判らない。火に油だったようだ。
「大体な、そんな風に人を試しておもろいか」
「面白いわけでは」
「はっ、良くいうわ」
これで話は終りとでもいうように机に向き直る、その小柄な背中がぽつりと呟く。
「・・・・・隊長は」
「はい?」
「隊長は、何色やった」
「気になるんですか」
「まぁ、な。副隊長が隊長のこと把握しとらんでどないすんねん」
建前なのは判っているし、判られているのも判っている。
「隊長は、通じません」
「何がや」
「あの人は、どうですかと勧めても、いただこうと言って手を出しますから」
こちらが、掌の上に色を広げる前に。
「選んでくれないんです」
「・・・・・隊長らしいな」
「そうですね」
与える側にいながら、与えられるのを待っている。
自分で選ぶことをしない。妙な所で。
「判らん人やな」
「食えないよりはマシでしょ」
「せやな」
「まぁ、どちらにせよかかる苦労は同じなんだから」
「せやなぁ・・・・・」
そうして、大きな溜め息。小さな筒を振れば、からからと小さな音がする。
「もう一つ、いかがです?」
「あかん、マーブルはもうええわ。コーヒーくれ」
「了解」
当直交代まで、あと少し。



マーブル診断小話。真田隊長はきっとそんな人だと思います。
無自覚に与えるのに、与えてくれと手を差し出す。

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