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寡黙なあの人の冗長な理論 (高嶺と真田)

音は発生源から離れれば離れるほど何かしらの力が失われていくような気がして、だからそれを好まない人は耳のすぐ近くで音を鳴らして自分の世界に浸りきるのだろうか、と理論的に見せかけた感覚論を披露するものだから、すいと泳ぐよりたやすくたったの一歩で近づいて、その耳元に口を寄せ、あなたが言うのはこういうことですかと精一杯近くで囁いてやる。
「       」




寡黙なあの人の饒舌な告白 (嶋本と真田)

そういうことがあったんだ、とまるでそれがしなければならない報告のような真面目さでいうから、これがのろけだといつか誰かこの人に気づかせてくれ、と頼めぬ応援など要請しながらそれで何を言われたんですかと続きを促す。
それにああ、といったきり反芻の動作から戻ってこないその人を見て、目の前で手など振りながら状況確認の後に今度こそ口に出して応援を要請する。
「あかん、誰か高嶺呼んでこい。真田さんフリーズして動かへんわ」




寡黙なあの人の混乱する思考 (真田)

そういうことがあったんだ、と説明をしてから本題に入ろうとして、相談しようとしていたことについて思い出そうとして、何を言われたんですかと促されたから答えようとして、何を言われたのか思い出して、そこからどうしたらいいのかわからなくなる。
このなんともいえない心の騒がしさの正体と、そういうときの正しい対処法を参考までに聞こうとしたのに、やはりそれが一番答えを遠ざけるのか、と思っているうちに目の前の小柄な隊長はその原因ともなった彼を呼ぼうとするからそれだけは、と思うのに体がうまく動かないからかろうじて、本当にかろうじてかすれた声で大丈夫だと呟くしかできなかった。



耳元でぼそりとつぶやかれる言葉は内容の如何にかかわらず ものすごい威力で以って心に迫ってくると思ったそれをみねさなってみる。

愛の告白は感情を司る右脳に直に響く左耳に囁くとよろしいらしいですよ。

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